さかい・つくしこども園さま
保護者任せにしない。“共につくる”卒園アルバム――負担を減らす、9年目の新たな挑戦


保護者が卒園アルバムの制作を担い、園の先生が夢ふぉととの窓口役を務める。そんな珍しい体制でアルバムづくりを続けているのが、今回取材したさかい・つくしこども園さま。
ご自身もアルバム好きと語る先生。保護者主体でありながらも、信頼関係の中でスムーズに制作が進んでいるその背景には、長年積み上げてきた関係性と柔軟な工夫について教えていただきました。
「アルバムを残したい」保護者の想いから始まった取り組み
――保護者が卒園アルバムの制作を担当し、園の先生が夢ふぉととの窓口役を務めるという珍しい体制を取られています。この体制が始まったきっかけを教えていただけますか?
私がこの園に来て25年くらいになるんですが、もともと卒園アルバム自体がなかったんですね。
ある時、保護者から「どうしてもアルバムを作りたい」という声が上がって。
有志の方々で始められたのが最初です。
園としては、その動きを尊重して見守る形でスタートしました。
そのあと、有志の取り組みが保護者会に引き継がれてしばらく続いていたんですが、「仕事との両立が難しい」という声もあって保護者会がなくなってしまって。
それでも「アルバムは残したい」という保護者の声が多かったので、今度はアルバム委員を立ち上げることになったんですね。
それで、基本的には保護者が制作を担いつつ、夢ふぉとさんとの窓口は園のほうで、という現在の体制になりました。
保護者主体の制作の難しさと、変化のきっかけ
――なるほど。そこから夢ふぉとでの制作が本格的に始まったんですね。

保護者の負担軽減のために始まった他社との比較検討
実は昨年の2~3月頃、ちょっとだけ他の業者さんも検討していた時期があったんです。
毎年、保護者のみなさんがとても熱心に取り組んでくださっていて、それは本当にありがたかったんですが、「こうした方がもっと可愛いよね」って、気づけば想像以上の作業量になっていて。
その頃は、保護者さんが無理していないか、正直少し心配でしたね。園としても年々対応が難しくなってきていたので、もう丸ごとお願いできるところがいいかもしれないなと。
それで、いくつか他社さんのサンプルを取り寄せたりもしたんですけど、比べてみて初めて、夢ふぉとさんのセンスの良さとか、仕上がりのクオリティの高さに気づいたんですね。
私たちはずっと夢ふぉとさんにお願いしていたので、それが“普通”だと思っていたんですけど、一回離れかけたからこそ気づけた良さというか。
――率直なお話をありがとうございます。そんな経緯があったとは…。ちなみに、具体的には夢ふぉとのどんな点が良かったですか?
他社さんのソフトの方が操作は簡単そうに見えたんですけど、仕上がりの可愛さが見劣りしたといいますか…。
夢ふぉとさんのソフトは、写真枠もそうですけど、テンプレートのバリエーションも豊富で、背景パターンやイラストのクオリティが段違いでしたね。背景のテンプレートが可愛いっていうのは大きいかもしれません。
写真の大きさやレイアウトの自由度の高さも。写真をいっぱい載せても画質が粗くならないんですよ。
あとは、ただ可愛いだけじゃなくて、園ごとの要望に応じるようなプランが揃っているところも良いですよね。園によって事情はそれぞれでしょうから。

2つの制作方法を上手に使い分けて保護者の負担軽減に期待
――そう言っていただけてうれしい限りです。今年度のアルバムは全体12ページで、10ページ分を「デザイナー制作」に変更されると伺いました。
はい。やっぱり、園のことなので保護者任せにも限界がありますし、かといって全面的に園がやるのも継続できるかという点が難しくて。そのバランスを考えて今年度は思いきってデザイナーコースに変更しました。
うちはずっと1冊あたり6,000円を予算として決めているんですが、その価格で夢ふぉとさんと同等のものを作ろうと思うと、他の業者さんでは難しいなと実感したんですよね。
そこで初めて、担当の長谷さんに相談したら、デザイナーコースを提案してくださって。
思えば、3年前も、物価高騰で価格改定があったときに予算内に収まるプランをいろいろ提案してくれて。アルバムケースとか、印刷方法の変更とか、現実的な選択肢を出してくださったので変更したんですよね。その当時、内心では「レベルが下がったらどうしよう」と不安もあったんですけど、実際は全くそんなことなくて安心しました。

ただ、生活発表会だけは、2月開催の行事なのでデザイナー制作の入稿締め切り日には間に合わなくて。でも、そのページだけ「らくらく制作ソフト」で入稿すれば間に合うと教えていただいたので、「そんな方法があるんだ!」って。こういう(2つの制作方法を併用する)のは私も初めてなので未知な部分もありますが、保護者の負担軽減という点では特に期待しています。
※デザイナー制作について
写真を選んでイメージを指示するだけで、あとはデザイナーが仕上げる制作方法です。
・希望のレイアウトやデザインが特に無ければ、お任せすることも可能
・入稿締め切りは12月中が目安
ご要望を解決する機能があっても活用がされていない課題も
――これまで保護者様が「らくらく制作ソフト」で作られていましたが、何かご要望などございましたか?
AIで写真から子どもたちの登場回数を数えてくれたらいいのにという話がありました。
お母さんたちが手で数えなくてもいいのは手間がなくなって良いなと思います。
――そのご要望を多くいただいていて、らくらく制作ソフトに顔認識のAIを搭載して登場回数がカウントできるようになったんです。
そうなんですか。
今後はデザイナー制作なのでソフトを使う機会がなくなりますが、その機能が使えたらいいですね。
あとは「水平垂直を揃えるのが難しい」という声はよく耳にしましたね。
――それも画像を揃える機能があるんですが、今までのインタビューでもその機能を知らなかったという声がありました。
より直感的に便利な機能を使っていただけるように画面の改善が必要ですね。
スムーズに進む秘訣は?アルバム委員との連携の工夫
――では、実際には保護者さんと、どのように進めていくのかについても教えてください。

うちは「卒園委員」と「アルバム委員」で役割が分かれています。たとえば卒園式の準備などを進めるのが卒園委員で、卒園アルバムは別に4人のアルバム委員が担当されます。その方々が決まると、保護者宛にお知らせを配布して、そのあと私と委員4名で顔合わせを行うんです。
その際に、私が毎年作っているスケジュール表をお渡しして、入稿や納品の時期を踏まえて「この日までに何を仕上げておくか」とか、逆算したスケジュールを一緒に確認します。
「どの作業をどなたが担当するか」といった分担の相談もしながら、制作を進めていく流れですね。
――アルバム委員さんは、先生の方から候補者に声をかけて選ばれるんでしょうか?
いえ、全員に向けて「やってみたい方はどうぞ」と募集します。声をかけると「なんで私には声がかからないの?」となる可能性もあるので。
ただ、希望者が多すぎるときは抽選で決めています。多すぎるとまとめにくいですし、逆に少なすぎると責任を重く感じてしまわれるので、3~4人くらいがちょうど良いですね。
挨拶と会話の積み重ねが、信頼の土台に
――なるほど。そのあたりの人数バランスも先生が見ておられるんですね。他にも、保護者さんとの関わりで意識していることはありますか?

はい。現在、園には213名の園児が通っていらっしゃいますが、一ヶ月の間でその保護者さん全員と挨拶することを自分のルールにしていて、ちょっとしたエピソードトークも交えながら、日常的にコミュニケーションをとるようにしています。
園全体で子どもを見守っていることが伝わると、保護者も安心できますし、日々の信頼関係が、いざというときの対応にもつながると思うので。
「今日は30人と話す!」といった目標もチェックリストを作って達成できるよう意識していますね。
――すごいですね…! 保護者の方とのコミュニケーションは以前から意識されていたんでしょうか?また、どんなお話が多いですか?

主任になってからの方がより強く意識するようになりましたね。主任になることが決まったときは、正直…嫌でした。現場で子どもたちと過ごすのが大好きだったので、「もう担任はできないのか」と落ち込んでしまって。保護者との関係も少し距離ができたように感じて寂しかったですね。そんなときに、ある保護者の方が私に相談をしてくれて、それに応える中で「これが自分にできることかもしれない」と思えたんです。そこから、保護者支援に本気で取り組もうと決めました。
勉強を重ねていくうちに、人材育成にも関心が広がって、職員指導もだんだん楽しくなっていきましたね。
お話の内容は、本当にいろいろです。イヤイヤ期、偏食、着替えを嫌がる、YouTubeばかり見たがる…といった日常のことから、お母さん自身の不安まで。悩んでいるのに、それを口に出せない保護者って意外と多いんですよね。
「もっと気軽に悩んでいいんだよ」と伝えられたらなと思って、3年程前から毎月『今月のお悩み相談』をお便りで紹介するようになりました。
それを始めてから、「自分が保育士や母親だから」というだけではなくて、「もっと根拠ある形で保護者に寄り添いたい」と思うようになって、”子育てハッピーアドバイザー”という資格も取りました。知識があることで、より安心してもらえる気がしますし、主任という立場だからこそできる支援もあるんだなと実感しています。
――デジタル化の時代ですが、夢ふぉとはアナログのアルバムにこだわり続けています。先生はアルバムの価値をどうお考えですか?

私自身アルバムがすごく好きで、今でも我が子と一緒に昔ながらのフエルアルバムを見返します。それこそ絵本を読むみたいに。子どもって、自分の話をしてほしそうにしてる時ってありませんか?
そんな時にアルバムを出して『あの時こうだったね』って。スマホだと、どうしても一人の時間に見るものって感じがするので、アルバムを挟んで親子で会話するのが大事っていうのは、すごく共感できます。

子どもから、保護者へ。そして職員へ広がったサポートのかたち
――先生方とのチームワークも良さそうですよね。
ありがとうございます。
実は、園内では職員向けに「自己肯定感を高める研修」というのをやっていて。『自己肯定感カウンセラー・ベーシック』という資格も取得しています。
子どもたちはもちろんですが、職員も「自分には価値がある」と思えるような関わり方をすることで、自然と主体的に動ける先生が増えてきました。

写真が育む”安心感”と”自己肯定感”
――日頃の保育の中でも、写真をよく撮られている印象ですが、どんな場面で活用されているんですか?
行事はもちろん、普段の様子もたくさん撮っています。販売用とは別に、アプリでその日の様子を保護者に配信したり、毎月の「クラスだより」代わりに「保育ドキュメンテーション」を掲示したり。写真を通して、子どもたちの成長や日々の保育に込めた想いが伝わるように心がけています。
保護者の方にも「このときこんなことをしていたんだ」が伝わりやすいですし、職員同士でも子どもの姿を共有するきっかけになりますね。

――教育的な視点での使い方もされているんですね。
はい。0〜2歳の子どもたちには、顔写真をラミネートして部屋に飾っています。一人ひとりシンボルマークも用意していて、「ここは自分の場所だ」と安心できる環境づくりをしています。
顔写真があることで、他の子の名前も覚えやすくなったり、欠席者の確認にも役立ったりしています。安心できるからこそ、子どもは自分を発揮できるので、自己肯定感を育てる第一歩だと思っています。

うちは育児担当制で生活の関わりを一人の先生が担っていますが、それも“安心感”を重視してのことで、子どもは「自分は大切にされている存在なんだ」と実感することで、人への信頼感を育んでいきます。

「保護者がつくるアルバム」を支える園の細やかな対応
――では、アルバムの写真も先生方が撮影されたものを使っていらっしゃるんでしょうか?
そうです。担任が日常的に撮っている写真を使っています。
ただ、子どもたちがいちばん好きな遊びは「自由制作」だったりするので、段ボールだらけの、いわゆる「映えない」写真になることもあるんですけど…。
その中から、私が選んだ写真をUSBにまとめて、保護者にお渡ししています。
写真は、「参加した子どもは全員写っているか」、「何をしている場面か伝わるか」、「表情は生き生きしているか」という点は意識して選んでいます。
そして保護者がアルバムに載せる写真を選ぶという流れですね。
手間はかかりますが、”保護者がつくるアルバム”という軸を大事にしたいなと考えています。
――先生方の撮影の腕も上がりそうですね。アルバム制作に関して、これまで業務時間外の対応が発生するなど大変なことはありましたか?
基本的には、保護者の方が自宅で作業されることが多くて、私が残業するようなことはほとんどないですね。制作中に園で作業される時も、「このお部屋で何時から始めます」と事前に伺うので、私は「じゃあ終わったら声かけてくださいね」とお伝えして、終業時間には終わるようにしています。
でも、納品されたアルバムを袋詰めする時だけは別で。卒園式に子どもたちに手渡すための準備なので、その時はお母さんたちと一緒に遅くまで作業します。箱に詰めたり、子どものシンボルマーク入りのクリップをつけたり…そんな細かい作業をしながら、「ここまでよく頑張りましたよね」とか「いいアルバムになって嬉しいですね」なんて、自然と一年間を振り返る時間になるんですよね。
――その場面、すごく素敵ですね。実は、他の園では卒園式でアルバムを渡しても、ご自宅で初めて開封されることが多くて、「保護者の感想を直接聞けたことがない」というお声もよく伺います。
えっ、そうなんですか?うちは一緒に作ってきたというのもあるので、アルバム委員さんと一緒にその場で見る年もあれば、お迎えに来られたタイミングで個別で見る年もあったり。
やっぱり、1年間一緒に頑張ってきたからこその関係性というか、その時間が絆を育んでいるのかもしれませんね。

インタビューを終えて
保護者の想いに寄り添いながらも、園としての負担や継続性とのバランスを丁寧に探る姿に、深い配慮を感じました。
“みんなでつくるアルバム”を続けていくための工夫に、共感と敬意が込み上げます。
私たちもその想いに応えられる存在でありたいと、心から思いました。
まずはお気軽にご相談ください!
「卒園アルバム、どうしよう…」と悩んだときは、ぜひ一度ご相談を。
保護者と園が無理なく協力できる方法や、プロとのハイブリッド制作など、柔軟な選択肢をご提案します。
“負担”を“喜び”に変えるお手伝いができれば幸いです。

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